日置市文化協会うたごよみ 短歌 俳句 さつま狂句

短歌

日吉短歌会

雪上の見事な滑走パラリンの
なしえた技に拍手贈りぬ

黒葛恵子

コロナ禍にウクライナ侵攻また地震
ミサイル発射危険な世界

甲斐克美

戦時下に生まれし我は今生きて
映像に見るウクライナの惨

鳩野トミ子

しきなみ短歌会

コロナ禍の寒風さなか鶴を観に
夫と並ぶや夫婦鶴舞う

益満和子

洗濯機モーター替えてスイスイと
軽やかに回る心地好い音

青木次子

チョコレートとろりのケーキに
心込め「ありがとう」と夫の机に

西園佳子

俳句

日吉町俳句会

うとうとと睡魔襲いて春を待つ

大迫一弘

春待ちて枝にぶらりと蓑虫や

米丸節子

餅つきや昔懐かし杵と臼

川畑秀子

東市来奴草俳句会

鶯の迎へうれしや墓参り

上村静好

晴れた日に忘れず古巣燕来る

杉野豊子

おぼろして下弦に映ゆる桜かな

柳田勝子

伊集院俳句会

校内の大樹抱きて卒業す

野上政人

孫来ると犬に告げたる春の朝

手塚修子

桜餅ケースの中から手招きす

木下広子

さつま狂句

吹上さざなみ会

手を挙げん児い心配を焼っ参観日

入来院彦六

女房と婆は牛肉く俺や野菜を焼っ

平田素麺

暇な爺が猫と見張った秋刀魚焼っ

前田一天

ゆすいん・どんこ会

長げ石段を見上げた瞬間か膝が泣っ

門松ひとっ葉

歳しじゃろか段差ぜ躓っかかっ杖ん世話

八木抜天

石段登い孫にゃ叶わん息が切れっ

髙柿めだか

飯牟礼さつま狂句

素茶云ゅどん婆あ漬物は添えっ出っ

益満冗談

素茶一杯貰ろたが相談太て話

馬場千貫

日雇いの仕事ちゃ後かあ増っきっ

益満大拘