地域活性化と地方移住の切り札は「空き家」 空き家は活かせば「地域の財産」

今年で6年目を迎える空き家バンク制度は、空き家を登録し、市のホームページで紹介するものです(図1参照)。これまでの1年間の平均が登録50件に対し、売却・賃貸の成約数が30件と高い水準で動いていました。しかし、令和3年度は登録59件に対し成約が58件と年平均の2倍近い成約となりました。これは、コロナ禍による都市住民の「地方移住」への関心の高さが影響していると感じています。空き家は活かせば「地域の財産」。空き家活用の取り組みをご紹介します。

地方への関心と空き家

令和3年度は空き家バンクの問い合わせが非常に多く、その多くは市外住民からのもので、個人居住や店舗、賃貸物件化を目的としたものです。まさに地方への移住やビジネスの足がかりのポイントが空き家なのだと感じています。

地方であれば空き家が多く、空き家を活用することが地域課題の解決にもつながる…そのような認識も多くの方々に広く定着しているのだと考えます。

活用の象徴「お試し住宅」

空き家を活用する際、多くの場合は、リフォームなどを想定しなければならず、活用するかしないかを決断するには、それなりに時間がかかります。その際に活躍するのが「お試し住宅」(図2参照)。市外、県外にお住まいの方々は、一定期間滞在し住居探しで空き家を吟味することは非常に大切。活用後のトラブルを回避するポイントでもあります。このように市外にお住まいの方々の滞在場所となるお試し住宅を昨年度末に4カ所オープンしました。このお試し住宅は全て空き家を活用したものですので、空き家活用の参考となるものでもあり、空き家の可能性を示す象徴的な存在であると考えます。お試し住宅は、それぞれに歴史が刻まれており、空き家は活用次第で地域の財産になることも示しています。その例となるお試し住宅をそれぞれ紹介します。

狐火ハウス

城山公園近くの狐火ハウス。

島津忠良・貴久による一宇治城(城山公園)攻めの際、城周辺に現れた狐火が攻め上がる方向を示し勝利に導いたという故事から「狐火ハウス」と命名。妙円寺詣りを守り続け、歴史を大切にしてきた伊集院地域だからこそ設定できる名称だと考えます。(図3参照)

運営団体のやっちゃろ会の創意工夫によるオープンイベントは広く注目を集めました。

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赤いえんとつの家

古民家のある敷地内に併設されている日置瓦工場跡に赤レンガの煙突があり特徴的であるので「赤いえんとつの家」と命名しています。

日置瓦は、日吉地域を代表する伝統工芸品。運営団体のかごしま夢未来は、今年、工場跡のDIYリフォームイベントを計画しています。

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黒川どんげぇ

幕末から明治にかけて活躍した吹上郷土史にも紹介されている黒川幸吉氏の屋敷。幸吉氏は戊辰戦争・西南戦争にて活躍し、伊作隊を率いた勇猛な武士です。維新後には西郷さんも度々訪れている築200年以上の屋敷。運営団体の伊作Goわっぜえ会は武家屋敷のある小牧自治会青壮年部を母体とした団体。小牧自治会のある伊作地区は戦国島津はじまりの地。本武家屋敷を活用し、歴史的魅力を発信することとしています。

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みやまと。

みやまと…あなたと。みやまと共に何をしますか?という関係人口創出のメッセージがそのまま名称になっているお試し住宅。この物件、実は廃墟同然だったもので景観的にも問題となっていたもの。運営団体の美山未来つなぎ隊がDIYで仕上げたもので、その模様はWEBサイト「ひおきと」にシリーズ15回で掲載しています。

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所有者や管理者の方々へ

市は、今後も空き家を求める市外の方々の動きは続くと考えています。お試し住宅の整備により、ゆっくり物件を探す環境も整えています。今こそ空き家が必要な方々につなぐ好機だと考えています。

空き家が活用に結びつかない理由は「家財道具」と「相続」。家財道具処分については、助成制度もあり、やる気になればすぐに対応できるケースもあります。しかし相続についてはどうしても簡単に解決できないこともあり、親族の話合いが必要なケースも多いです。

そこで、親族が集まることも多い「お盆」に合わせて空き家について話をしてみてはいかがでしょうか。市では、何かの気づきにつながればと市Youtubeチャンネルに空き家に関する指南動画「空き家TV」を用意しています。ぜひご覧いただきご検討ください。

空き家TV