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アクション:スマホ・ゲーム依存について考えよう

スマホ・ゲーム依存について、増田クリニック院長増田彰則先生にうかがいました。

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近年、インターネット(以下ネット)の普及が進み、学校でもタブレット教育が始まったことで、子ども達は家庭でも学校でもネット環境で過ごす時間が増えています。これが子どもの成長・発達に様々な影響を与えることが危惧されます。

まず、乳幼児ですが、アメリカや日本の小児科医会は2歳まではテレビやスマホなどスクリーンを見せないように注意を喚起しています。むずがる子どもをスマホでなだめることを繰り返すと子どもの依存傾向を助長し、さらに思考や行動を制御する実行機能が育ちにくいと言われています。泣いて機嫌が悪い時こそスキンシップをはかり、しっかりと目をみて話しかけましょう。また、親がスマホをしている姿を見ている乳幼児ほど、スマホをさせると熱中することが分かっています。3歳までに脳の神経細胞の基礎ができると言われており、この期間に脳を刺激するスマホやゲームは避け、自然や人の中で多くの体験をさせましょう。

園児になると友だちとの外遊びや自然体験が成長にとって大事になります。喧嘩したり、仲直りしたり、譲り合ったりして社会性の基礎となる思いやりの心や友達の痛みを理解する心が育まれます。また、5歳までに脳の9割ができると言われており、それまでは遊びやふれ合いを通して五感を刺激する体験をさせましょう。そしてルールを決め、それを守れるよう「我慢する力」を育てることがその後の成長につながります。

さらに小学生では就寝時間を決め、生活リズムを整えることが重要です。低学年の脳ほどネット、ゲームの影響を受けやすいことが分かっており、ゲーム時間は低学年30分、高学年1時間程度が望ましく、低学年は21時まで、高学年は遅くとも22時までに寝る習慣をつけましょう。就寝時間を決めることで子どもの睡眠は改善し、情動や行動のコントロールが上手にできるようになります。さらに依存症予防で最も大事なことは、ベッドにゲームやスマホを持ち込ませないことです。

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親御さんにお願いしたいことは、ゲームやスマホの電源を切って

「家族団らんの時間」をつくり、しっかりと子どもに向き合って下さい。子どもにとって、お父さん、お母さんの笑顔と会話ほど心が満たされる楽しい時間はありません。それが、ネットやゲーム依存から子どもを守る防波堤になります。

増田クリニック 増田彰則先生

(経歴)

1986年 宮崎医科大学医学部卒業

1996年 医学博士取得

鹿児島大学医学部第一内科助手、鹿児島大学病院呼吸器・ストレスケアセンター講師を経て

2006年11月 増田クリニック 開院

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