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「今後のコロナ禍を明るく生きるために」をテーマに
中央大学人文科学研究所の高橋聡美先生にお話を伺いました。

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中央大学人文科学研究所
高橋聡美 先生

  • 一般社団法人髙橋聡美研究室代表理事
  • 中央大学客員研究員
  • 医学博士
南さつま市出身。スウェーデンでの調査従事、防衛医科大学校などで講師や教授を勤め、現在は心の健康づくりや自殺対策に関する普及啓発で活躍中。

1.新型コロナ感染症~新たな葛藤~

私たちはこの3年ずっと感染することを恐れ、不安に思い、それでも「新しい生活様式」を取り入れながら過ごしてきました。今年3月からはマスクも「自己判断」となり、5月からは感染法上の扱いもインフルエンザと同様になります。

「新しい生活様式」も慣れてきたところで、マスクも自由、旅行も宴会もイベントも自由と言われても、3年間で培われてきた行動をもとに戻すことは、思いのほか困難なことだと感じます。感染に対する慢性的な不安は、「元の生活に戻したいけどやっぱり不安」という葛藤を生み出すでしょう。

2.心の健康を守るために心がけたいこと

1)マスク着用の自由

まず、みなさんに、知っておいてもらいたいのは、マスクはするのもしないのも自由であるということです。マスクをしていない人に「なぜしないのか」、逆にマスクをしている人に「外せ」と批判することはマスク着用の自由を侵害することになります。

マスクをしたい人はマスクをし、したくない人はしない自由を取り戻すためには、みなさんがお互いの考えを尊重することが必要だと考えます。

注)職業によってはマスクをつけなければならない仕事もあります。また、マスクなしでも、咳エチケットなどコロナ禍以前から行っていた衛生行動は続けてください。

2)行動の基準

新型コロナ感染症がインフルエンザと同じ扱いになると、各行動も自分の判断で決めることになるでしょう。行動緩和になっても自粛行動を続ける人もいるかと思います。国が打ち出す方針のスピードと人の心がそれについていけるかというスピードは別物です。ゆっくり生活を元に戻していく人たちを焦らせないようにしてください。逆に、自由に行動している人たちのことも批判しないでください。その方たちは国の指針通りに行動しているだけです。それぞれのスピードを大切にしてあげてください。

3.活き活きと生きるために

3年間の自粛生活の中で、私たちは沢山の物を失ってきました。それは、誰かと逢える時間だったり、楽しみにしていたイベントであったり人によってさまざまでしょう。会えないまま、大切な人と死に別れた方も多くいらっしゃると思います。

地域の楽しいイベント、スポーツ、芸術鑑賞などの文化活動、会食、「不要不急」とされたものは、私達の生活の楽しみそのものでした。

人は不思議な動物で、「食べて寝る」だけで満足しない生き物です。自分の楽しいと思うことを思いっきりやったり、自分らしさを発揮できる活動をしてこそ、活き活きと生きられます。

まだまだ、コロナ感染を不安に思われる方もいらっしゃると思います。でも、この3年、コロナ禍を生き抜いてきたご自身に自信をもって下さい。不安に思うご自身を責めないでください。

みなさんも、少しずつでいいので、コロナ禍前の自分らしい生活を取り戻していってください。あるいは、コロナ禍で新たにつながりや、楽しみを得た方はそれを大切になさってください。

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